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双海で小学生が1週間の共同生活「夕焼け村」に密着しました


地域の方が講師となり天体について学びます

こんにちは。ふたみ潮風ふれあい公園の広報スタッフです。


宿泊施設「ふれあいの館」を利用して、双海町の地域イベントが開催されましたので、活動の様子をレポートします。


わくわく生活体験「夕焼け村」とは


愛媛県伊予市双海町にある三つの小学校の4〜6年生の希望者が、親元を1週間離れて共同生活をするプログラムです。


今回は20名の小学生が参加していました。普段はあまり会えない、年の近い友だちと過ごせるのは、特別な経験ですよね。


平成12年(2000年)からスタートし、今年で24年目を迎える歴史ある活動です。


1週間掲げられる夕焼け村の看板

子どもたちは宿泊施設である「ふれあいの館」から学校に通います。


参加者の親御さんは、ふれあいの館には立ち入りません。子どもと保護者を完全に隔離する点が、「夕焼け村」プログラムのいちばんの特徴なのだそう。


子どもたちは地域住民やボランティアの人たちにサポートしてもらいながら、食事の準備や洗濯、そうじなど、身の回りのことを自分たちだけで行います。


夕食や宿題が終わった時間帯には、毎日異なるイベントが用意されています。花火鑑賞や天体観測、座禅体験、キャンドルサービスなど、仲間との思い出作りになるようです。


夕やけを背景に干される参加者の洗濯物

どんな活動をするの?


今回、2日間ほど夕焼け村の活動を見学させていただきました。特に気になった活動の一部をご紹介します。


夕食作り


夕方、それぞれの学校に登校していた児童が下校してきます。夕方からは夕食の調理タイム。上灘婦人会や更生保護女性会双海支部の方の指導を受けながら、楽しく作業していました。


この日のメニューはパスタとサラダ。参加者やスタッフ全員分を準備するのは大変そうでしたが、談笑しながらも真剣に取り組んでいましたよ。


みんなで夕食作り、この日はパスタでした

調理ができると、全員がそろって班ごとに食卓を囲みます。「双海町ジュニアリーダー会」と呼ばれる中高生のボランティアの方々も学校終わりに顔を出し、一緒にご飯を食べていました。


「ジュニアリーダー」のみなさん、実は数年前に「夕焼け村」に参加した経験のある双海の学生さんばかり。


自分たちが作った最高の思い出を後輩にも体験してほしくて、ボランティアとして小学生をサポートしているそう。


参加者、ボランティア、地域の方と囲む食卓

参加者の小学生としても、自分たちがもっと下の学年だったときに年長だったお兄さんお姉さんが来てくれるので、気心知れていて楽しそうです。


双海町は地域の子どもたちが皆、顔見知りになれるくらいの規模感。年齢関係なく仲がよくて結束力があることが、合宿を通じて伝わってきました。


夕食後の宿題タイム


食事の片づけが終わると、ふれあいの館の会議室を利用して、その日の宿題をやる時間が設けられています。それぞれが机につき、一生懸命に宿題と格闘していました。


宿題以外にも、その日の絵日記を作成したり、家族へ近況報告の手紙を書いたりもします。


作業しつつも、友だちやボランティアの方々と談笑する様子が微笑ましかったです。


今日の宿題を一気に片付けます

天体観測


夕焼け村では宿題タイムの後に毎晩、異なる催しが行われます。


この日は地域の有識者を迎えて、天体観測を行いました。双海で天体観測を趣味として撮影されている方だそうです。


空を見る前に、プロジェクターを使って、夏や冬の星座や惑星、日食や月食についてなど教えていただきました。大人の私が聞いても興味深く、子どもたちは真剣に聞き入っていました。


プロジェクターに映された資料で天体について学びます

この日はあいにくの曇り空だったのですが、普段のふたみ潮風ふれあい公園は周囲に灯りが少なく、非常にたくさんの星が観測できます。


条件がよければ、天の川を見ることができるかも。


公園の外に設置された天体望遠鏡

キャンドルサービス


夜のイベントをもうひとつご紹介。


最後の夜を飾るキャンドルイベントは、幻想的で思い出深いものとなるようです。


厳かな雰囲気の中、広場に円になった子どもたちの合唱からスタートします。


合宿の最後を飾るキャンドルサービス

キャンドルサービスの火は、地元の神社のキツネの神様から各班長へ、班長からリーダーへを受け渡されました。


実はキツネの神様に扮するのは、愛媛県の地域づくりリーダーである若松進一氏。双海町の下灘出身で、今でも子どもたちのために尽力されています。


若松氏がキャンドルサービスに参加するのは毎年恒例で、昨年は八咫烏に扮したのだとか。


キツネの神様に扮する若松進一氏

全員に灯りが受け渡された後、子どもたちはひとりづつ、「合宿で学んだこと」や「家に帰って活かしていきたいこと」などを発表します。


その後は、保護者から子どもたちに向けて書かれた手紙が一人ひとりに渡されます。


合宿中に子供たちは、家族に向けて手紙を書いて近況を知らせています。最終日には保護者から、離れた期間の想いなどが綴られた返信が届くのだそう。


みなさん、大事そうに手紙を広げ、じっくり目を通していました。


車座になって合宿への想いを発表

 

「夕焼け村」を見学した感想


「夕焼け村」全体は、まるでひとつの大家族のよう。世代を超えた人たちが、自然なコミュニケーションを交わしている場でした。他にありそうでない不思議な感覚を味わいました。


地域ぐるみで子どもを育てるしくみや、関わる人の想いの強さを、少しだけ体感できたように思います。


夕焼け村に関わっているのは、伊予市役所 社会教育課職員、双海町こども教室実行委員会、松山東雲女子大学、双海町ジュニアリーダー会。調理指導は、上灘婦人会や更生保護女性会双海支部。その他、多岐にわたる方々が夕焼け村のために尽力されています。


小学生に宿題を教える高校生

特に驚いたのは、地元の学生ボランティアがリーダーシップを発揮して各工程を回していること。気負うことなく、自然に子どもたちと関わっています。


調理も、食事中も、宿題タイムも、大人は見守っているだけのことが多かったです。子どもたちはお兄さんお姉さんを信頼し、頼っていることが伝わってきました。


数年前まで「夕焼け村」に参加していた小学生が「自分が受けた恩恵を下の世代に返したい」と、想いを持ってボランティアで参加している様子に胸が熱くなりました。


数年後にはきっと、今回の小学生がボランティアで夕焼け村に戻ってくるのでしょう。素敵な連鎖ですよね。


「人」を育てる長年の取り組みの蓄積が、双海という地域を強くしているのだと思いました。


宿題をし、日記や手紙を書く小学生

素晴らしい地域のイベントを24年間もふたみ潮風ふれあい公園で行ってくださり、ありがとうございます。来年も楽しみにしています。


 

「ふれあいの館」利用の案内


宿泊施設「ふれあいの館」を合宿や研修、セミナー、地域行事やイベントごとなどで、ぜひご活用ください。宿泊の他、デイユースも可。利用用途や時間帯などご相談に応じます。


まずは館内設備や詳細をご確認いただき、お気軽にお問い合わせください。



参加者の靴がたくさん詰まった靴箱





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